若者のほとんどの人が利用しているというSNS(ソーシャルネットワークサービス)。
SNSブームの立役者となったのがミクシィである。
いまでは、FacebookやTwitterといった競合するサービスが流行しており、SNS市場はますます繁栄をし続けている。
SNSブームのミクシィを創設した笠原健治氏だが、すでに社長を退任している。
身売りをしたわけではないし、世代交代という年齢でもない。
そこでわたしは退任に関する様々なインタビューや記事を読んでいった。
社長退任という笠原氏の行動が、これからの社会で求められる経営のひとつになるのではないかと思い紹介していく。
社長退任の裏側とひとつの経営のカタチ
笠原氏は2013年、ミクシィの社長を退任して、会社の経営権限のない会長職へと退いた。
理由としては、会社の今後のことを考え、いままで4つの事業を立ち上げてきた経験を活かして、自分は別の角度から会社の拡大のため、力を入れていくのだという。
もしわたしが社長なら、自分が思ったように会社経営をしていきたいから社長という肩書は維持しておきたいと考えてしまうが、笠原氏はそうではなかった。
会社を一番に考えているから、経営については得意な人に任せて、自分は自分の得意分野で会社を大きくしていきたいということだ。
俺が俺が!と前に出ず、みんなの長所を活かして、自らの会社を客観的にみる視野の広さや、経営に関する奥深さを感じる。
みんなの長所を活かすような経営のスタイル。
これも、一つの経営のカタチであろう。
新しいSNSのカタチ、写真共有アプリ「みてね」
退任後、はじめに笠原氏が作ったのは「みてね」という、子供や家族の写真を共有できる無料アプリです。
2児のパパとして頑張る笠原氏の性格や、日常生活が見えてくるような、とても暖かいものとなっている。
いままで家族で写真を共有するなら、メールやLINEのような送り先のデバイス内に保存されていくアプリで送信するようなカタチでした。
メールやLINEだと、送る時間や枚数を送りすぎたりして、迷惑をかけてしまうのではないかと心配になり、なかなか送りにくいというネックがあった。
しかし、「みてね」はサイト内にアップするだけで、クラウド内保存。
容量制限もなく、動画も送ることができるところも、本当に無料なの!?と疑いたくなるほどすごく充実しています。
何年経っても見ることができるので、自分の子供が大きくなったころに懐かしむのもいいだろう。
笠原氏はこのアプリでこんな願いを叶えたいと言っています。
・子どもたちが親になっても、みてねを使い続け、世代を超えて何十年も使われ続けるサービスになること
引用:みてねの始まりと、これから
・世界中の家族が使うサービス、世界中の人達に愛されるサービスになること
近年ではアプリ内課金による収益が多くなっているなか、無料でも世の中から愛されるアプリになってほしいという笠原氏の願い。
わたしも有料アプリを多く利用しているので、こんなにいい無料アプリがもっと増えてくれたらうれしいと切実に思う。
長期繁栄のために、柔軟な考え方と与える姿勢が大事。
笠原氏の経営に関する姿勢は、ほかの実業家とは一味違う。
自分が主役ではなく、自分の長所とまわりの長所を掛け算しているイメージだ。
それが、長期繁栄を生む経営の一つのカタチ。
生涯使い続けたくなるようなアプリ「みてね」が生み出す新しいSNSのカタチ。
家族間で悩んでいる問題やこんなものがあったらいいなというものを、親という立場だからこそ開発できたのではないだろうか。
しっかりと現状に向き合いながら、新しい発想を生み出していく。
これからも実業家&起業家としての笠原氏が、今後の新しいカタチをつくっていくことに期待大だ。