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実業家の考え方

仕事と家庭を両立してきた佐々木常夫氏が大事にしていること

会社への信頼と定時退社するための時間管理能力

「仕事に追われてプライベートが少ない」
「家庭を持つと自分の時間がない」
それくらい忙しい毎日を過ごしている会社員の方は多いのではないでしょうか?
実際に社会人1年目のときのわたしは、仕事が忙しくて日々愚痴をもらしていました。

そんな方にぜひご紹介したい実業家は、佐々木常夫(ささき つねお)さんです。彼は、子どもの自閉症や妻のうつ病など、家族の事情で時間がない状況から、仕事と家庭の両立をして東レ経営研究所 社長になりました。

佐々木常夫さんについて知らない方もいらっしゃるかもしれないので、経歴を簡単に紹介させていただきます。

 1969年 東大経済学部卒業、東レ入社
 1984年 繊維企画部 統括課長に就任
 2001年 東レ 取締役に就任
 2003年 東レ経営研究所 社長に就任

この経歴だけを見ると、佐々木さんがエリート街道にのってきた人に見えますが、その過程にはいろいろな苦労があったそうです。
佐々木さんは4人兄弟の次男として誕生します。6歳になった時に父親が他界してしまったため、母子家庭になりました。たくさんの苦労はあったと思いますが、学生時代は優秀な成績を修めます。
東京大学に合格し、卒業後は東レ株式会社へ入社します。東レ入社後は、順調に昇格をしていきました。しかし、課長就任時に家庭で問題が発生したため、いままでよりも家族のために時間を割く必要性が出てきました。

今回は、課長就任時に仕事と家庭の両立で苦労したエピソードを通じて、佐々木常夫さんが大事にしてきた会社への信頼を培うことと時間管理能力についてお伝えしていきます。

早く帰りたいではなく、早く帰らないといけない事情

長男が自閉症の影響もあってか、問題を起こすことがあったそうです。当時は、その負担の多くを妻である浩子さんが担ってきました。しかし、佐々木常夫さんが課長に昇進したタイミングで浩子さんがうつ病を発症してしまいます。家族を守るため、佐々木常夫さんは早く家に帰る必要が出てきました。

しかし、課長昇格直後は前任者からの業務の引継ぎやプロジェクトの打ち合わせがかなり多かったそうです。「自分の業務をやりたくてもできない!」「仕事を早く進めようにもできない!」など多くの葛藤がありました。

育児中で、同じように時間がないという状況の人は世の中たくさんいると思います。
状況を打開すべく、佐々木常夫さんは仕事の効率して定時退勤できるよう業務の改善をはじめます。

会議を徹底的に見直して、生産性を上げる

まず、着手したのは打ち合わせの効率化です。
この会議の目的は何なのかを明確にします。不要な会議は中止、開催する場合は議題やゴールを明確にしてから実施するようにしました。

その結果、それまでやっていた会議のほとんどが不要だったことがわかりました。
認識合わせなど、必要であれば部下の方が直接コミュニケーションを取ってくるようになります。そして、コミュニケーションが取りやすくなったことで、仕事の効率が格段に上昇しました。

業務効率化だけでは、どうにもならなくなる

業務のあらゆる分野にメスを入れて、仕事の効率化を進めてきました。
それでも、家族のために日中家にいなければならない時がありました。当時はテレワークが当たり前ではなかった時代です。
状況を打開すべく悩んだ結果、会社に現状を伝えることにしました。

それまで、会社には言わずに自分の力で時間効率を良くすることで対応していたのもすごいことだと思います。実際、会社の迷惑になるかと思い、なかなか公表に踏み切れなかったそうです。

会社に伝えた結果、全面的にサポートを受けられることになりました。在宅勤務については、業務時間帯はいつでも連絡が取れることを条件に許可されました。緊急事態宣言が発令されたからこそ、テレワークが世に広まりましたが当時は画期的だったと思います。仕事で実績をあげていたことも大きいと思いますが、佐々木さんの人柄も影響したと思います。周りから多くの信頼を得ていたからこそ、佐々木さんを支えたいと多くの方が思ったのではないでしょうか。

家庭と仕事を両立する土台は、責任を果たして信頼を得ること

たとえ制度が整っていなくても、佐々木さんのように会社からの信頼を得ていれば、状況は改善できると思いました。

私も仕事で実績をあげ、周りの方々から信頼を勝ち得ていきます。
そして、仕事か家庭のどちらかではなく、両立できるよう精進していきます。