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起業/独立

出版業界を牽引する会社の創業者2選

すっかり肌寒い季節になってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
先日はスポーツ用品メーカーの創業者を紹介させていただきましたが、今回は読書の秋にちなんで出版社を創業した実業家を紹介させていただきます。その中でも、少年誌の分野で業績を牽引している3社に焦点をあてました。

どの会社も第二次世界大戦の前に創業していて、歴史があります。今回紹介させていただいた会社は全て業界大手ですが、最初からそうだったわけではありません。会社を起業して、5年後も生存している割合は40%だと言われています。しかも第二次世界大戦という苦境を乗り越えて今があると考えるとすごいと思います。私も何年も評価され続けるような仕事ができるよう精進します。

相賀武夫氏((株)集英社、(株)小学館の創業者)

集英社と小学館が元は同じ会社だったことはご存知でしょうか。
私は、このブログを執筆するまで知りませんでした。原点が同じということで、どちらもまずは、児童書をきっかけにして事業規模を拡大させています。

相賀武夫氏は、1922年(大正11年)に(株)小学館を創設します。最初に創刊されたのは、『小学五年生』『小学六年生』です。株式会社化したのは、太平洋戦争の終戦と同じ1945年です。『名探偵コナン』などで有名な週刊誌『週刊少年サンデー』は、1959年に創刊されました。ファッション誌だと、1981年に『CanCam』が誕生します。売上高の推移も好調です。2019年2月期は970億5,200万円で、3年後の2022年2月期には1,057億2,100万円となっています。

(株)集英社は、1926年に小学館の娯楽誌出版部門が独立・分離して誕生しました。最初に創刊された雑誌は『尋常小学一年女生』です。尋常小学校は、第二次世界大戦前まで存在した学校の一種で、基礎課程を学ぶ学校のことを言います。尋常(じんじょう)とは「あたりまえ、平常と少しも変わらないこと」を意味します。映画や大河ドラマなどで「いざ尋常に」というセリフを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。当時の(株)集英社は、学年だけでなく、性別毎に異なる雑誌を出版していました。株式会社化したのは、(株)小学館と同様に終戦間もない時期です。『ONE PIECE』などで有名な週刊誌『少年ジャンプ』は、1968年に創刊されました。ファッション誌だと、1971年に『nonno』が誕生します。売上高の推移もここ5年は好調です。2022年は前年比で約3%落ちたものの、2018年から2021年までは前年比で14%以上業績を伸ばしています。特に2021年は好調でした。売上高は31.5%伸びで、会社史上初の2000億円超えを達成します。上述の『ONE PIECE』が連載1000話、コミックス100巻、全世界発行部数は4億9000万部突破するなど数多くの作品がスポットライトを浴びた1年でした。

野間清治氏((株)講談社の創業者)

最後は、(株)講談社です。(株)講談社の起源は1909年に野間清治氏が設立した「大日本雄弁会」となります。出版社の前身が雄弁会というのは意外でした。ただ同時期に、早稲田大学でも雄弁会が誕生しています。日露戦争やその後の大正デモクラシー運動など、この時代は自身の不満や知識・経験などさまざまな想いを語ることが世の中のニーズとなっていました。「講談社」となったのは、1925年です。『はじめの一歩』や『金田一少年の事件簿』などで有名な『週刊少年マガジン』は、創業50周年の1959年に誕生しました。同年に『週刊現代』も創刊されています。ファッション誌だと、1983年に『vivi』が刊行されました。売上高も好調で、(株)集英社同様に2019年から2021年は右肩上がりです。2021年度は売上高が前年比31%増の2010億円、純利益は前年から118%アップの457億円となっています。

最後に

私自身も今回取り上げた会社の書籍・雑誌は、何度も読ませていただきました。心を動かすコンテンツが多く、いつも元気づけられています。私も学んだことを糧に、より多くの方々や社会に貢献できるよう、より一層仕事に励んでいきます。