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マネジメント

ビジネスで使えるコミュニケーションスキル『アサーション』を学ぶ 

皆さんは、普段コミュニケーションを取る際に、どんな意識をして話しているでしょうか。もちろん、家族といる時と職場にいる時では、多少なりとも違う方もいらっしゃるとは思いますが、今回はどんな時でも使えるコミュニケーションスキルである『アサーション』についてお話したいと思います。

目次

  • アサーションとは
  • アサーションのテクニック
  • 自身のコミュニケーションをアサーションで円滑に

アサーションとは

「アサーション」とはコミュニケーションスキルの1つで、「人は誰でも自分の意思や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己表現のことです。

引用:アサーションとは | 人事用語集・辞典 | 人事のプロを支援するHRプロ (hrpro.co.jp)

家族やそれぞれのコミュニティ、会社の上司や同僚、もしくは部下と話をする際、コミュニケーションの仕方は人によってそれぞれあると思います。
例えば、自分の意見を押し通したり、ちょっと口調が強めな上司や、言ったことは全てYESで何を考えているか分からない部下とか、さまざまだと思います。

アサーションの理論では、人のコミュニケーションタイプは、『アグレッシブ(攻撃的)』『ノン・アグレッシブ(非主張的)』『アサーティブ』の3つに分かれているとされてます。

アグレッシブ(攻撃型)

自分のことを中心に考え、相手のことはまったく考えず、自身の考えを主張するやり方です。自分が正しいという前提が強くあり、理由や言い分など聞く余地もなく頭ごなしに叱責をするような表現です。

ノン・アグレッシブ(非主張的)

自分の意見や感情は押し殺し、相手に合わせるようなやり方です。自分に対して自身が持てず、自分を後回しにして周りの人のことを考えようとする傾向にあり、それが何よりも相手に対する思いやりと信じている状態から生まれることが多いといえます。

アサーティブ

自分の気持ちや考えを相手に伝えるが、相手のことも配慮し、自分も相手も大切にしたやり方です。お互いの意見に賛同できず、意見が食い違ったときに、攻撃的に相手を打ち負かしたり、非主張的に相手に合わせたりするのではなく、お互いが歩み寄って一番いい妥協点を探ることがアサーティブなあり方であると言えます。

ご自身のコミュニケーションがアサーティブかどうかは、これから出題する質問の答えの内容によってわかるようです。
是非チェックしてみてください。

1.あなたは、自分の長所や、なしとげたことを人に言うことができますか。

2.あなたは、自分が神経質になっていたり、緊張しているとき、それを受け入れることができますか。

3.あなたは、見知らぬ人たちの会話のなかに、気楽に入っていくことができますか。

4.あなたは、自分が知らないことやわからないことがあったとき、そのことについて説明を求めることができますか。

5.あなたは、自分が間違っているとき、それを認めることができますか。

6.人からほめられたとき、素直に対応できますか。

7.あなたに対する不当な要求を拒むことができますか。

8.長電話や長話のとき、あなたは自分から切る提案をすることができますか。

9.あなたが注文した通りのもの(料理や洋服など)がこなかったとき、そのことを言って交渉できますか。

10.あなたに対する人の好意がわずらわしいとき、断ることができますか。

出典:平木典子『改訂版 アサーション・トレーニング さわやかな<自己表現>のために』|金子書房(2009)

質問の回答でNOの数が5個以上だと自己主張が苦手なノン・アサーティブのタイプ、YESの数が5個以上だと適切に自己主張ができるアサーティブタイプ、回答で攻撃的・否定的感情を持ってYESを選んでいる場合はアグレッシブタイプの可能性があります。

皆さんは、いかがでしたでしょうか?

どのタイプが良い悪いというよりも、現状の自身のコミュニケーションタイプを把握することが大切かと思いますので、結果に一喜一憂するのではなく、これからどうコミュニケーションを変えていけばいいのかを考えられたらと思います。

アサーションのテクニック

アサーションを活用するとご自身の職場や、家庭内でも円滑なコミュニケーションができるようになると思います。いきなりアサーションなんて使いこなせないと言う方は、まずはDESC法にチャレンジすることをお勧めします。DESC法はアサーションのスキルをまとめたテクニックです。

Discribe(描写) 客観的に事実を伝える

Explanation(説明) 自分の意見や感情を伝える

Suggest(提案) 相手の求めているものを解決策として提案する

Choose(選択 ) 提案の実行/不実行による結果を伝える

例えば、同じプロジェクトの先輩に仕事を頼まれた時のアサーションスキルです。

頼まれた仕事量や納期を聞いて、難しいと判断したあなたは、現状の自身の業務量だと難しいという事実を伝えます(描写)
そのうえで、仕事はお手伝いしたいけれど、納期が間に合わなかったりしたら先輩に迷惑がかかることを伝えます(説明)
そして、先輩には納期を伸ばしてもらったら可能ですという提案や、もしくは、少量であれば手伝えることを伝えます(提案)
こちらが提案した内容であれば、手伝えることを伝えます。(選択)

こういった、コミュニケーションスキルを活用することで、周りの方とのコミュニケーションが円滑に進みそうですよね?

ぜひ今日から実践してみてください。

自身のコミュニケーションをアサーションで円滑に

これまでアサーションについてご紹介してきました。そもそもアサーションは、1980年代にアメリカで理論を学んで持ち帰った平木典子氏が、日本の文化に合うようにして広めていったスキルです。

出典:協働のためのアサーション・トレーニング | 日本アサーション協会 (japan-assertion.jp)

簡単な平木氏の経歴はこちら

1959年 津田塾大学学芸学部英文学科卒業。
1964年 アメリカ合衆国ミネソタ大学大学院教育心理学修士課程修了。教育心理学修士。
1967年 立教大学カウンセラー、社会学部社会学科講師。
1979年-1980年、在外研修で、サンフランシスコ州立大学において、家族療法・アサーショントレーニングの訓練を受け、以後、家族療法とアサーショントレーニングを中心とした臨床と人間関係促進のトレーニングに従事。
1991年 日本女子大学人間社会学部心理学科教授。
2004年 跡見学園女子大学文学部臨床心理学科教授。
2007年 東京福祉大学大学院臨床心理学専攻教授。
2011年 統合的心理療法研究所(IPI)所長。

引用:平木典子 – Wikipedia

平木典子氏が日本に広めたアサーションは、現在、医療・福祉・教育・司法・産業などのあらゆる分野で、専門職の治療やケア、教育や訓育、そして組織運営や開発に広く取り入れられるようになりました。
元々は個人と個人で使うスキルでしたが、家族、会社、コミュニティや組織の中でも使えるように発展してきました。

ぜひ、ご自身のビジネスにもアサーションを活かしていただければ幸いです。

参考URL: