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実業家の考え方

対談レビュー、寺島実郎氏と柳井正氏

今回は、対談レビューです。今回は、寺島実郎氏が柳井正氏と行った対談を紹介させていいただきます。言わずもがなですが、柳井正氏はUNIQLOを運営する株式会社ファーストリテイリングの創業者です。寺島実郎氏は、一般財団法人 日本総合研究所の創業者かつ会長で、多摩大学の学長も兼任されています。紹介させていただく対談は、『寺島実郎の世界を知る力』で放送されたものです。他にも魅力的なコンテンツは多々あったので、お時間ありましたらご覧になられてはいかがでしょうか。

柳井正氏、アメリカ合衆国に憧れを感じて、視察に行き、得たヒントを実践したこと。企画、製造、販売を一貫してやることで利益を上げること。海外進出して、国外で業績を伸ばすこと。成功するためには、時代を正しく認識して、適用するために行動し、結果が出るまであきらめないことが大事だと改めて学びました。

寺島実郎氏の経歴

寺島実郎氏は、1947年に北海道で生まれました。大学は早稲田大学へ進学し、政治学にて修士号を取得します。寺島実郎氏と柳井正氏は、同じ1971年に早稲田大学を卒業しています。三井物産株式会社へ入社しています。その後渡米して、三井物産株式会社のアメリカ合衆国におけるトップに立ちます。日本に戻ってからも実績を上げ、執行役員にまで昇り詰めました。その後は、多摩大学の学長など様々な役職を兼任するようになります。現在では、立命館大学の客員教授も勤めています。

国の仕事にも積極的に参画していて、関連する省庁は多岐にわたります。経済産業省、総務省、農林水産省、国土交通省、文部科学省を相手に携わった分野は様々です。また、大阪府と宮城県の政策顧問でもあります。これだけの実績を上げられた方だからこそ、柳井正氏や似鳥昭雄氏の話を引き出せたのだと思います。

柳井正氏との対談

柳井正氏との対談は、株式会社ファーストリテイリングの有明本部にて行われました。
柳井正氏は大学生の時に世界を見に行きました。サンフランシスコで感じたのは、ベトナム戦争の影響でした。アメリカに憧れをもっていたので、アメリカンドリームよりもベトナム戦争で疲弊した姿を目の当たりにすることは意外だったと思います。

大学卒業後、柳井正氏はイオン株式会社がかつて運営していたスーパーマーケットであるジャスコに入社します。ただ、自身が店長になりたいわけではなく、経営者になりたいということに気づきました。そのため、父親が創業したメンズショップ小郡商事で仕事することになります。ご本人の話によると、当時父親は別の商売をやっていたため、実質自分でメンズショップの仕事をほぼやっていたそうです。

その後、1984年にUNIQLO第1号店を出店します。UNIQLOは、UNIQUE CLOTHING WAREHOUSEの略で、お客が長いから頭文字だけとってユニクロと呼んでいたら、それが正式名称になりました。こういったエピソードを聞くと、顧客第一で利用しやすさを追及しているからこそだと思いました。店のコンセプトは、本屋やCDショップをイメージしたそうです。商品が陳列されていて、お客がそれらを好きに選べるようにすることです。

UNIQLOが誕生してから、バブルがはじけて日本経済は衰退の一途をたどっています。ただ、株式会社ファーストリテイリングは、急成長を遂げます。その要因の一つが、自社で「企画」「製造」「販売」を一手に担うことです。中間流通コストがなくなる分、商品は安く提供できるなどメリットはたくさんあります。すべて背負う分、売れなかった時のリスクも大きくなります。柳井正氏は、他社の成功事例をまねたと言っています。衣料品業界で大きくなった会社は、どこも商売形態が製造小売でした。イギリスでMARKS&SPENCERが成功し、イギリス人の生活を豊かにしました。その商売形態がアメリカ合衆国に渡ってGAPになり、またヨーロッパに戻ってZARAになりました。だからこそ、柳井正氏も、同じ製造小売で商売をしようと決意したと語っています。学ぶの語源が真似ると言われるように成功事例から、正しく学ぶことが業績を上げる秘訣だと学べました。

また対談では、これからは情報製造小売になるとも語っています。各個人がスマートフォンをもち自身で情報を発信できるようになったからこそ、情報が大事になってきます。ここでいう情報とは「付加価値」と「トレンド」をさします。ファッションのトレンドと時代のトレンドを意識してどういう付加価値をつけていくかが勝負だとも語っています。柳井正氏はどうやったら商売で勝っていけるかを明確にして仕事していると思います。リーダーは勝つビジョンを明確にして、仕事することが大事だと学びました。

最後に

柳井正氏は経営は時代認識だと語っています。現状が分かるからこそ、正しく過去を振り返ることができ、また未来を予想することができるのだとも思います。出来ることに焦点を当てて、どうやったら実現できるかに注力することも大事だと語っています。

私も「無理」という言葉は脇において、どうやったら出来るかを考えるようにします。現状を正しく認識して、自身の自己実現のためにこれからも仕事に専念していきます。