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マーケティング

水野良樹 ✖ 柴那典の対談から学ぶヒットソングについて

いきものがかりの山下さんが脱退してから、もうだいぶ時が経ちました。

今回はいきものがかりの作詞・作曲を務める水野良樹氏と音楽ジャーナリストの柴那典氏の対談(考える人『ヒットは難しいけれど』)から音楽のヒットソングの考察を聞いて学びに活かしたいと思います。

目次

  • 対談者プロフィール
  • 時代によって同じ曲でも違う曲に
  • ヒットソングが持つ強度について
  • タイトルは一番大事
  • 対談を聞いて

対談者プロフィール

『ヒットは難しいけれど』の対談者であるお二人の経歴をご紹介します!

水野良樹氏

1982(昭和57)年生まれ。神奈川県出身。1999年にいきものがかりを結成、2006年に「SAKURA」でメジャーデビュー。作詞作曲を担当した代表曲に「ありがとう」「YELL」「じょいふる」「風が吹いている」など。グループの活動に並行して、ソングライターとして国内外を問わず様々なアーティストに楽曲提供を行うほか、雑誌・新聞・ウェブメディアでの連載執筆など、幅広く活動している。2019年には実験的プロジェクト「HIROBA」を立ち上げ、様々な作品を発表している。

水野良樹 『犬は歌わないけれど』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

柴那典氏

1976(昭和51)年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。音楽やビジネスを中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。著書に『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』『ヒットの崩壊』、共著に『渋谷音楽図鑑』がある。

柴那典 『平成のヒット曲』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

音楽業界を代表する二人の対談は、ユーモアたっぷりで面白く、対談の模様を文字でどんどん追いたくなるようなお話になっています。

時代によって同じ曲でも違う曲に

今回の対談では、お互いが出している著書の内容から平成(1989年~2019年まで)の有名な名曲から会話が広がっていくような内容となっています。

話題には、いきものがかりの『ありがとう』や、SMAPの『世界に一つだけの花』などが話題にあげられています。

柴さんの著書『平成のヒット曲』を記載している際、『世界に一つだけの花』について調べたそうですが、みんな知っている名曲にもかかわらず、「No.1にならなくてもいい」という歌詞が嫌だとか、曲が嫌いとか言われ賛否の「否」が多かった曲だったそうです。

ただ、時が経つにつれて反響が大きくなり、またSMAPの駆け抜け方が『世界に一つだけの花』の歌詞と重なるところもあり、結果として「時代を代表した曲になった」そうです。

また、現代であれば『世界に一つだけの花』は多様性を歌った曲だと言われるかもと、いつの時代にでた曲かによって捉えられ方が変わるとも分析されています。

このような現象は、音楽だけでなく商品やサービスでも同じことが言えそうです。いま『世界に一つだけの花』が売り出されたとしたら、ジェンダー平等に当てはまると言われ、別な売れ方をしていたかも知れないですね。

ヒットソングが持つ強度について

後半の内容でYOASOBIの話からタイトルの強度について話題が変わっていきます。柴氏がYOASOBIのライブに訪れた時、老男女問わず様々な方がライブに来ており、その客層に驚いたそうです。

そのことについて、水野氏は【強度】という言葉で表現しています。

水野氏の息子さんが4歳で歌詞もわからないけれど、米津玄師の『パプリカ』を歌ったり、LiSAの『紅蓮華』を歌うそうです。意味を分からなくても歌ってしまうのが【強度】だと水野氏は言います。

また、syudouさんの『うっせいわ』も強度が強いと話しており、【強度】の意味について水野氏は「普通に生活している中で出来上がってしまう壁みたいなものを越えていく強さがないと、そうはならない」と話していました。

【強度】があるヒットソングには、タイトルか歌詞か曲長にブレイクスルーするなにかがありそうですね。

強烈にイメージに残る部分を作ることが大切なのかもしれないと思いました。

タイトルは一番大事

対談で水野氏はタイトルの役割について、「タイトルによってボールを投げられるフィールドが変わってくる」と話しています。タイトルによって、届く客層が変わってくるという事です。

若者がウケそうなタイトルもあれば、年配の方がウケそうなタイトルがあると思います。ヒット曲を作るにもタイトルは重要で、イメージが広がるようなタイトルが大事だと話の中で出ていました。だからこそ、『うっせいわ』というタイトルはインパクトがあり、タイトルが独り歩きできるほどの【強度】があると話しています。

どんなターゲットに届けたいかは、タイトルで舵をきることができそうですね。

対談を聞いて

今回の対談を聞いて、音楽からは学べると思っていなかったマーケティングの分野やサービスの特徴を引き出すことの重要性を学べたと思います。分野は違っても、上手くいく根本はみんな同じような成功法則があることを学びました。

今回学んだ事を私も活かしていきます。

参考記事:

『犬は歌わないけれど』&『平成のヒット曲』刊行記念対談 ヒットは難しいけれど 前編 | 水野良樹×柴那典「ヒットは難しいけれど」 | 水野良樹 , 柴那典 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社 (kangaeruhito.jp)

『犬は歌わないけれど』&『平成のヒット曲』刊行記念対談 ヒットは難しいけれど 後編 | 水野良樹×柴那典「ヒットは難しいけれど」 | 水野良樹 , 柴那典 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社 (kangaeruhito.jp)

対談者著書:

水野良樹『犬は歌わないけれど
水野良樹 『犬は歌わないけれど』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

柴那典『平成のヒット曲
柴那典 『平成のヒット曲』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)