皆さんは『海賊と呼ばれた男』という映画をご存じでしょうか?
百田尚樹氏による経済小説を映画化したものです。
こちらの映画の主人公である国岡鐡造(くにおかてつぞう)は石油の販売を九州で開始し、行くとどなく訪れるピンチを、社員を家族として大事にしながら、乗り越えていく映画です。戦後会社の収益もほとんどない状態でも、誰一人クビにすることなく新しい事業をつくり、一度は販売できなくなった石油業も再開できるようになり、事業規模を拡張していきます。どんな時でも、強気の姿勢で努力を惜しまず、諦めず困難に挑み続ける姿勢に心動かされます。ぜひ、観ていただきたい映画です。
そんな、『海賊と呼ばれた男』の主人公、国岡鐡造のモデルとなった人物がいます。
出光興産の創業者である、出光佐三氏(いでみつさぞう)です。
今回は社員や日本経済の為に貢献した出光佐三氏の経営者としての前提を学んでいきます。
目次
- 出光佐三氏とは
- 出光佐三氏が大事にしてきたこと
- まとめ
出光佐三氏とは
出光佐三氏は1885年生まれ、明治から戦後にかけての実業家。
引用:出光佐三 – Wikipedia
神戸高等商業学校(現・神戸大学)卒業。同校で水島銕也校長に師事し「士魂商才」の理念に感化を受ける。同期に高畑誠一、永井幸太郎、和田恒輔。内池廉吉教授の「商業概論」の講義で受けた「商売は金儲けではない」との教えから、1940年に出光興産創業後、大地域小売業を展開した。
特に有名なシーンでは、終戦の2日後、従業員に「愚痴をやめよ。世界無比の三千年の歴史を見直せ。そして今から建設にかかれ」と訓示した。多くの企業が人員を整理する中、出光佐三は約1千名の従業員の首を切らないことを宣言したことや、1953年の日昇丸事件などがあります。
出光佐三氏が大事にしてきたこと
経歴の紹介でもあったように、出光佐三氏は「商売は金儲けではない」との教えを大事にした経営を行ってきました。
その中でも出光佐三氏が大事にしてきた経営理念の一つとして『人間尊重』という言葉があります。
出光のHPには『人間尊重』について、記載されています。
「人間尊重は、人間が人間を尊重することであって、人間を中心とした考え方である。自ら省みて尊重すべき人となり、こうしてお互いに尊重しあうということである。自ら省みて尊重すべき人とはどういう人であるか。これも理屈を並べたてれば、とめどもないむずかしいことである。しかしながら、これも理屈ぬきに常識をもって実際的に考えればきわめて簡単なことである。自ら顧みて平和を作り、人類の福祉増進に役立つような人として恥ずかしからぬ、実に尊重すべき人となることである。さらに進んでこういう人々がお互いに尊重しあって、一致団結して平和・福祉の増進に尽くすということである。」
引用:創業者「出光 佐三」 | 経営の原点・企業理念 | 出光興産 (idemitsu.com)
お互いを尊重しながら、相手のお役に立つような人となり、一致団結して皆で平和やよりよい未来をつくっていく想いが込められているのが分かりますね。
会社で働きながらも、社員を家族のように思って働き、社員を大事にしながらもよりよい日本をつくるために貢献してきた出光佐三氏の信念を感じることができる理念でした。
まとめ
このように出光氏は、会社のトップとして社会に貢献してきただけではなく、常に社員のことを思っていることがわかりました。
どのような状況であっても『人間尊重』を大事にして、誰一人としてクビをきらなかった企業だからこそ今までも、そしてこれからも繁栄していけるのだと思いました。
皆さんの信念や想いも是非大事にしていただきたいです。